妖精の涙



村人は大騒ぎした。





「雨だー! 雨が降ったぞー!」




「あのガキがいない! やっぱり雨が雨が降らなかったのは、あいつのせいだったんだ!」





明は今までにないくらいのショックを受けた。




次第に、雨が降らなかったのは、やはり深雨のせいだったのでは、と思い始めた。





どうすればいいのかわからなくなった深雨は、学校から帰って、桜に相談した。





「ねえ、お母さん……私、間違ったことしたのかなあ……」




「間違ったこと?」





桜は明に水を渡しながら聞き返す。





「深雨をこの村に招き入れたこと。でも私、深雨といて楽しかったんだよなあ……」





「だったら、間違ってないんじゃない? 深雨も、明といてずっと笑ってたじゃない」




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