妖精の涙



やることはまるで子供のようだが、効果があるのは事実。




そう自分に言い聞かせる村人も少なくなかった。





そして、雨は決まって夜に降っていた。





ある日、村人の一人があることに気付き、仲間に報告した。





「もしかして……あのガキが泣いたら雨が降るんじゃないか? 実際、何もしていない夜に雨が降っている。ガキは、誰にも見られない夜に泣いているのかもしれない」




「言われてみれば……」




「それは思いつかなかったな……」





みな、納得したような表情を見せる。





「それで、どうする?」




「もっと雨を降らせるには、もっとガキを悲しませ、泣かせればいい。だから、明を利用しよう」




「なるほど……早速明日、やってみよう」




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