妖精の涙
「ごめんね、深雨……私も、ずっと深雨といたい。でも、もう無理みたい……」
深雨はますます涙を流す。
「今まで、ありがとう……この村に来てくれて、ありがとう……深雨に会えて、よかった」
泣いているはずなのに、明は間違いなく笑っていた。
そして、明はそのまま目を閉じた。
「明……? 嫌だよ、明! お願い、目を覚まして! 死んじゃいや……!!」
いくら深雨が泣き叫んでも、明が目を開けることはなかった。
その日は、村一番の大雨の日となった。
そして、明が死んだ日。
明のことが大好きだった人たちが、泣き喚いた。
それから何日も雨が降り続けた。
深雨が毎日泣いていたのだ。