無題 〜奇跡の7つ子〜

7:♣ケンカ?♣

放課後、私は、秘鳴と壱鳴と遅鳴の三人で帰っていた。


詩鳴は、部活があるらしい。
(女子バスケ部)


今日の楽しかったことを言いながら帰っていると、


「おい!お前、密羽の四女だろ?」


と、不良に言われた。


「いえ。人違いじゃないですか?」


秘鳴は、しらばっくれる。

ざっと数えて、10人。


「人違いなわけあるか!俺らはなぁ、テメーんとこの長男に、この前やられとるんだわ。」


「じゃあ長男に仕返ししてください。私ら関係ありません。」


またまた、しらばっくれる。


「手めーを人質にとりゃ、長男がやすやすとやられてくれるはずだから、テメーがいなきゃいけねーんだよね。」


チッ


と、秘鳴が舌打ちしたのを私は、聞き逃さなかった。

そして小さい声で、

「遅鳴兄。やるしかないよね?」

と言っていた。

やるということは、戦うということなのだろうか?


「いいんじゃない?」

と、遅鳴も返していた。



「何こそこそ喋っとんじゃ!」


不良が、キレる。



次の瞬間。


秘鳴が口を開いた。



「松田 黄色。ごく普通の家庭で生まれた、松田家、次男。優秀な長男に引け目を感じている。それにより、非行に走る。が、母親には、心配をかけたくなく、嘘をつく。……当たり?」



と秘鳴は、無邪気に聞いた。



何が起こった?


ふと、後ろを向いた、秘鳴の顔を見て私は、


ぶわぁ!


となった。



目の色が、白かった。
そして白目が、黒!


髪のメッシュにある、白は、少し広がったような気がした。



「な、何故それを!!」


明らかに、動揺している。

松田 黄色とは、この不良頭の、名前だろう。


秘鳴は、コツコツと、近ずいていく。
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