無題 〜奇跡の7つ子〜

12:♣心境の変化♣

「あの、ホントにいいんですか?」

「いいよ。“あの秘鳴”が許したんだ。何か、いい激でもしたんだろ?それで秘鳴の心を動かした。だから、いいんだよ。」

「あ、ありがとうございます!!愛鳴さん!!」


私は、頭を下げた。


「じゃあ、また家でね。」

「はい!」


私が返事を返したら、愛鳴は、さっさと行ってしまった。


「アリス!どうだった?」

とてとてと、壱鳴が走ってきた。

「成功だったよ!」

私が親指を立ててグゥサインをすると、

「ヤッター!」

と、飛び跳ねて喜んだ。


「良かったね。成功して。」


遅鳴も、そう言ってくれた。



ココ最近、壱鳴と遅鳴が、私に優しくなった気がする。

壱鳴は、元々、優しかったけど、なんか、もっと素を見せてくれるようになった。

そして一番変わったのが、遅鳴。
私に対して、優しくなった。そして、過保護になりよく触れてくるようになった。
遅鳴は、少し潔癖症で、あまり家族以外の人には、触らなかった。私たちが来た時も、手袋をしていたし、何かあった時も、声でいうか、指さし。
それが触れてくるようになった。何となく、嬉しい。



「…日時は?」

あ、そうだった。


「えーと。明後日の、3·4時限目。」


「あ、学活だったね。そこにぶち込むなんて、さすが、愛鳴兄さんだね。」


遅鳴が誇らしげに言った。


「秘鳴姉さんの方が凄いし!!最強だし!」


少し拗ねたように、壱鳴が言う。


「あー。確かに秘鳴もすごいよね。」


それをなだめるように言って、壱鳴の頭をポンポンした。


優しい!!!!

かっこいいし!

最強じゃない?



「帰ろっか?」


「あ、うん。」


遅鳴は、どこまでも大人だ。


そう思いながら、家に帰った。
< 27 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop