無題 〜奇跡の7つ子〜

15:♣疑惑の念♣

「なーに、見てるの?」


ウサギが突然、後からやってきた。


「何も見てないよ!」


慌てて訂正する。

「あ!分かった!ちぃなだ!」

「そ、そんな分けない…!」

「好きなんだぁ?」

「なんで、私が遅鳴のことなんか好きってことになるの!」

「…(やっぱり好きなんじゃん。)あー!そうならいいんだァ!」


なんか、気分が上がりすぎじゃない?いつも以上に。

ウサギは、去っていった。

「(アリエル!出てきてアリエル!)」

私は、アリエルに呼びかける。


「出てこない?」

最近見てない!

家でも、学校でも!


いつから?

一か月前くらいから?


退治屋?

このご時世に?

でも、アリエルは、異世界から来た、天使。そんな退治されることは、ない……


あ!

もしもだけど、

本当にもしもだけど、

あの二人なら、出来るかもしれない。

いや、出来る。


でも、こちらには、来ていないはずなのに…

私の視線が、ウサギに行く。

ウサギ……?

私の心で、疑惑の念の芽が生えた。

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