冷たい蜂蜜

帰り際の空気

なんとなく私は毎日変わらない日々を過ごしていると
思った

特に恋愛なんて興味ないし
私が唯一出来るのは仕事だけ。


なんの取り柄もない



よくわからない売り上げランキングに私の名前が
載ってるだけ



正直私はこの仕事を気に入っていた



土日祝日休みで給料もそこそこで

一人暮らしの女には丁度いい

デザイナーの仕事も最近はあんまりだが
してはいる。


母とはあまり関わりたくない
なぜならしつこく干渉し、私には冷たく。

そんな母を可哀想と思う


母は自分の自慢話ばかりで聞いているのも
苛立つくらい何度も言う。


対して自慢にもならないような話を何度も何度も。


そんな母は少し不思議だ。



そんなこと今更考えたってと思い



仕事をしていた。






部下の 若田 藍夏 (わかだ あいな)

最近この会社に入って来たばかりで新人だ。


彼女は可愛いくてあざとい部分もある


手の込んだヘアスタイル、ナチュラルメイク
身長も小さく、安っぽいスーツを着こなす。


正直私はそんな彼女を可愛いとは思えなかった。


彼女はわざとらしいくらいのシャンプーの匂いを
漂わせ、営業スマイルを振りまく彼女は


一つの皮を付けているようにしか見えなかった


身長が小さいのにスタイルもよく
生意気なくらいヒールを高くして


マドンナ的地位を取りたいのだろうか

上司に媚びて人気、視線を奪う彼女は

まるで闇のようだった。




私のことを「先輩」と呼び馴れ馴れしく
接する彼女は鬱陶しかった。

対して実力もないくせに。


そんなことを考えながらいつも私は彼女と接する。



いつかは痛い目に遭うだろうそう思った。





夜になりそろそろ帰る時間だ。



今の時間は夜の21時だ

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