お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
信号がまた赤になり、青に変わっても結論を出せずに、「ちょっと考える時間をもらっていいですか?」と成田さんに視線を戻す。
すると彼は「ちょっとでいいの?」と言ってクスリと笑い、「それならどこか店に入ろう。そこで考えて」と自信と期待を滲ませる口調で言った。
腕時計を見れば、時刻は二十三時二十分。
私は電車で帰るつもりでいて、気にするのは終電である。
その時間まではあと一時間ほどあり、一杯飲むくらいなら大丈夫だと判断して頷けば、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「この先に雰囲気のいいバーがあるんだ。そこに行こう」
彼と並んで片道二車線の道路の、点滅信号を急いで渡る。
私を誘導する彼は、大通りから横道に折れた。
まだ九月に入ったばかりなのに、膝下丈ワンピースから出る足が心なしか寒い気がする。
それは急に通行人がまばらな、寂しい道に入ったせいだろうか。
人気が少ないといっても、車道と歩道の境のない道沿いには、開店している店もある。
ひなびた商業ビルの、看板だけが真新しいネットカフェが目に付いた。
そういえば、ネットカフェに入ったことがないなと思いながらその前を通り過ぎ、若者が避けそうなスナックと立体駐車場の前を歩く。
その先にあるのは……。
すると彼は「ちょっとでいいの?」と言ってクスリと笑い、「それならどこか店に入ろう。そこで考えて」と自信と期待を滲ませる口調で言った。
腕時計を見れば、時刻は二十三時二十分。
私は電車で帰るつもりでいて、気にするのは終電である。
その時間まではあと一時間ほどあり、一杯飲むくらいなら大丈夫だと判断して頷けば、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「この先に雰囲気のいいバーがあるんだ。そこに行こう」
彼と並んで片道二車線の道路の、点滅信号を急いで渡る。
私を誘導する彼は、大通りから横道に折れた。
まだ九月に入ったばかりなのに、膝下丈ワンピースから出る足が心なしか寒い気がする。
それは急に通行人がまばらな、寂しい道に入ったせいだろうか。
人気が少ないといっても、車道と歩道の境のない道沿いには、開店している店もある。
ひなびた商業ビルの、看板だけが真新しいネットカフェが目に付いた。
そういえば、ネットカフェに入ったことがないなと思いながらその前を通り過ぎ、若者が避けそうなスナックと立体駐車場の前を歩く。
その先にあるのは……。