お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
そして、それをごまかすために、「まだ時間はあるし、別にいいけど」と澄まし顔を作って、彼の右隣の椅子に腰を下ろした。
「ああ、旨いな……」
左手の湯飲み茶わんに口をつけ、しみじみとそう言った彰人は、視線を私に流した。
お茶に濡れた唇に、艶めいた流し目。
エプロン姿であっても、その表情は妖艶である。
お茶を飲むのに、なんでそんなに色気を出すのよ……と心の中で批判しつつ、私は心臓を波打たせる。
彼のペースに持ち込まれそうな予感がして目を逸らしたら、テーブルにのせていた私の左手に彼の右手が被せられた。
「この手はなに?」
「小さくて可愛い手だと思って。肌質がスベスベだな」
ニヤリとした彰人が、お茶を楽しみつつ、私の手を弄ぶ。
軽く握ってから撫でたり、ひっくり返して指を絡めるように繋いできたりと、やりたい放題だ。
こんなことをされたら顔が火照りそう。
「や、やめてよ……」と上擦る声で頼めば、クスリと笑われただけで、手を放してはくれない。
「嫌ならやめるけど、違うよな。俺のことが大好きなんだろ? 素直になれよ」
声にまで色気を含ませる彰人は、私の耳元でそう囁いた。
「ああ、旨いな……」
左手の湯飲み茶わんに口をつけ、しみじみとそう言った彰人は、視線を私に流した。
お茶に濡れた唇に、艶めいた流し目。
エプロン姿であっても、その表情は妖艶である。
お茶を飲むのに、なんでそんなに色気を出すのよ……と心の中で批判しつつ、私は心臓を波打たせる。
彼のペースに持ち込まれそうな予感がして目を逸らしたら、テーブルにのせていた私の左手に彼の右手が被せられた。
「この手はなに?」
「小さくて可愛い手だと思って。肌質がスベスベだな」
ニヤリとした彰人が、お茶を楽しみつつ、私の手を弄ぶ。
軽く握ってから撫でたり、ひっくり返して指を絡めるように繋いできたりと、やりたい放題だ。
こんなことをされたら顔が火照りそう。
「や、やめてよ……」と上擦る声で頼めば、クスリと笑われただけで、手を放してはくれない。
「嫌ならやめるけど、違うよな。俺のことが大好きなんだろ? 素直になれよ」
声にまで色気を含ませる彰人は、私の耳元でそう囁いた。