お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
一方、私は顔を曇らせる。

ズルした気分で、勝っても嬉しくない……。

そう思って両親から目を逸らしたら、右端に座っている小南ちゃんが膝立ちし、「私の評価は!?」と大きな声で審査員に尋ねた。


一回戦の勝者が決まったような空気が流れたので、きっと彼女は焦ったのだろう。

しかし呉服店の奥様に、答えるのも馬鹿らしいというような大きなため息をつかれ、「評価に値しません。あなたは自分で着ていないでしょう」と厳しい言葉をかけられていた。


頬を膨らませた小南ちゃんは、間に西尾さんを挟んで、私に文句を言う。


「織部さんが全部やっちゃうから、点数もらえなかったじゃないですか」


この子をどうしてあげようか。

私が着せた振袖を、今すぐ脱がしてもいいだろうか?


理不尽な苦情に腹を立てた私であったが、口論するほどの元気はなく、呆れのため息ひとつでスルーすることにした。

視線を前に戻せば、審査員席にいる彰人が、楽しそうな目を私に向けていた。


その後、積まれた着物や姿見などが撤収されると、二回戦目の、生け花対決に使用される道具が運び込まれる。

大量の花材と、何種類もの花器、鋏や剣山、花留などである。
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