お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
一見、若い女性に敬遠されそうな店構えだけど、中に入れば女性客ばかりで、すでに満席に近い。
私たちのように事務員風の制服を着た、知らない会社のOLもいる。
深緑色のエプロン姿の女性店員が他の客の注文を取りながら、「空いてる席へどうぞ」と私たちに向けて声を張り上げた。
壁際のふたり掛けテーブルだけが空いていて、後ろの人と椅子がぶつかりそうなほどに狭いその席に着き、茜とメニュー表を開いた。
クスノキ食堂という和風な店名だけど、メニューは洋食のみ。
店内に流れるのは八十年代のジャズで、内装もレンガ風の壁にイミテーションの蔦を這わせた照明など、西洋の田舎町にある古いカフェのような趣である。
混んでいなければ落ち着ける空間で、私は好きだ。
茜は少し迷って海老グラタンを選び、私はここの名物、ビーフシチューを即決して注文する。
ビーフシチューはすぐにできるけど、グラタンは焼き上がるのに少々時間がかかる。
ここには何度も足を運んでいて、もちろん茜もそれを承知の上での選択だ。
ということは待ち時間に、私の同居生活について聞く気が満々ということだろう。
案の定、メニューを取り終えた店員が離れたら、「面白い話を期待してるよ!」とワクワクした目を向けられた。
私たちのように事務員風の制服を着た、知らない会社のOLもいる。
深緑色のエプロン姿の女性店員が他の客の注文を取りながら、「空いてる席へどうぞ」と私たちに向けて声を張り上げた。
壁際のふたり掛けテーブルだけが空いていて、後ろの人と椅子がぶつかりそうなほどに狭いその席に着き、茜とメニュー表を開いた。
クスノキ食堂という和風な店名だけど、メニューは洋食のみ。
店内に流れるのは八十年代のジャズで、内装もレンガ風の壁にイミテーションの蔦を這わせた照明など、西洋の田舎町にある古いカフェのような趣である。
混んでいなければ落ち着ける空間で、私は好きだ。
茜は少し迷って海老グラタンを選び、私はここの名物、ビーフシチューを即決して注文する。
ビーフシチューはすぐにできるけど、グラタンは焼き上がるのに少々時間がかかる。
ここには何度も足を運んでいて、もちろん茜もそれを承知の上での選択だ。
ということは待ち時間に、私の同居生活について聞く気が満々ということだろう。
案の定、メニューを取り終えた店員が離れたら、「面白い話を期待してるよ!」とワクワクした目を向けられた。