無敵の剣
「男と温泉に行くのに気兼ねして
悩んでいるものかと?」


「全然! 伊東さんと話がしたかったし
温泉初めてで、楽しみにしてました!」


「不思議な娘だね」


「貸切にしてくれて…ありがとうございます
人前で着物を脱ぐことには、抵抗があって
あ、脱いだあとはどうでもいいけど」


「はははははっ
想像とは、違うね
もっと、女らしいかと」


「伊東さんこそ!
もっと、自分勝手な人かと
温泉… 私の為でしょ?」


「ふっ まあね
女の身で、男と暮らすには
何かと大変だろう
今日は、僕が世話をしてあげるよ」


伊東さんが微笑んだ


「お言葉に甘えさせて貰います」


私も微笑んだ




「後ろを向いているから、先に脱いで
湯に入ってくれるかな」



「はい」







伊東さん…




いい人かも…










< 201 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop