無敵の剣
斎藤は、実家を出ることになった日

私と蕎麦を食べた

高島さんに会わせてくれた




「二郎君!!!家なら、俺が用意しよう!」





私は、俯いた


「私、ひとりでは、ありません」


「なんだ!?連れ合いがいるのか!
そんな事は気にしないさ!!」


「労咳を患っている」


「彼女が!?」


「あ、いや、男なんだ
あと、私は… 女なんだ」





高島さんや斎藤に、嘘をつきたくなかった





2人は、目を丸くした




「ああ!それで!!!」


「体つきが、華奢だと思った!!」



軽蔑されなかった、それどころか
家や布団、食器なども用意してくれた




「お前ら、新選組に入ってたんだろ!?
脱走したって事は、改名した方がいい」


「沖田君、俺の養子になりなさい
高島、んー、高島宗次郎! どうだい?」


「二郎は?どうする?」


「二郎君は、宗次郎に嫁ぐこと
名は…」


「雪」



私は、微笑んだ



「ぴったりだ!」



高島さんの計らいで、私達は祝言まで
挙げた


「沖田さん、強引な人達で驚いた?」


「驚いたなんてものではありませんよ
私が、嫁を貰うなんて
考えたこともなかった
それも… 惚れた君を貰えるなんてね」


「……ぇ?」


「宗次郎って、私の幼名と同じなんだよ!」



話をそらされたが、沖田さんが……

私を?






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