10歳の年の差はどうやって埋めますか?
12
私が目を覚ましたのは、自宅の自分のベッドの上だった。

「あれ…?」

私は外が暗くなっている事に気が付いた。

「気がついた?あなた、会社で倒れちゃったのよ。課長さんが車で送ってくれたのよ。」

そして私の額にお母さんの手が触れる。

「少し熱も下がったみたいね。でもまだまだね。」

お母さんのホッとした顔に、申し訳ない気持ちで一杯になる。

「悠希ももう無理が利かない年齢になっているんだから、気を付けないといけないわ。」

「うん、ごめんね。新しい課に移ったばかりだから張り切り過ぎたみたい。」

私は弱々しく笑う。

こんな風に身体が悲鳴を上げたのは何年振りなんだろう。

「課長さんがたとえ熱が下がっても、明日は休ませて下さいって言って帰って行ったわ。もう少し寝なさい。」

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