10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「あまり他の男性と居る所は見たくないものですね。」

「えっ?」

私の格好ではなく、清水君の事?

その瞬間、松田さんは係長さんを促して去って行った。

私達も会社へ戻るために、車に乗り込む。

「悪いな、思ったより遅くなってしまったな、済まない。」

「これは仕事だからしょうがないでしょ。」

私はそう返した。

「そう言えば…、さっき係長さんと居た彼とはどういう知り合い?」

清水君は好奇心たっぷりに聞いてくる。

「どういうって…、一緒に美術館に行く仲かな?」

まだ胸を張って、お付き合いをしている人とは言えなくて…。

どうにか私はそんな言葉を引き出したのだ。

「佐野って、美術館なんかに行くの?ちょっと意外だったな。」

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