10歳の年の差はどうやって埋めますか?
そんな松田さんの礼儀正しい姿。

お母さんもニコニコしている。

「御馳走様でした。」

食べ終わった後も、きちんと手を合わせた松田さん。

そして時計を確認すると、にこりと笑った。

「まだ時間が有るので、一度家に戻って着替えます。いろいろありがとうございました。」

玄関先で松田さんはお母さんに頭を下げた。

「悠希の事、よろしくお願いしますね。またいつでも来てくださいね。」

松田さんのお母さんに対する印象はかなり良好なようだ。

昨夜の様子を差し引いても十分みたいだ。

「駅の方向を確認するね。」

私はお母さんにそう言うと、一旦松田さんと外へ出た。

「悠希さん、すいませんでした。実は私はお酒にあまり強くなくて…、しかもすぐに眠たくなってしまうんです。」

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