蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
手と手が繋りあったことで、一気に頬が熱くなっていく。
周りからの視線に気恥ずかしさを募らせながら、自分たちは恋人同士なんだということを実感し、また幸せな気持ちなっていく。
「……佳一郎さん?」
突然、場を切り裂くように鋭い声が響いた。
いつの間にか目の前に、中佐都建設社長の娘であるあの女性が立っていた。
私たちをじっと見つめるその表情は、状況を受け止めきれていないかのように戸惑いを露わにしている。
そんな彼女に、私たちが手を繋いでいることを気付かれるのは時間の問題だった。
「その女性と、どういったご関係ですか?」
睨みつけながらの問いかけに、恐怖を覚えてしまう。
繋いだ手がわずかに震えてしまえば、佳一郎さんが軽く力を込めてきた。
「見た通りの関係ですが」
堂々とした彼の主張に、中佐都さんの綺麗に波打った髪の毛がひどく揺れた。
「付き合っている人はいないと言ったじゃないですか! 私を騙したのですか!?」
「嘘は言っておりません。質問を受けた時点ではまだ、彼女と付き合うには至っておりませんでしたので」
「……それじゃあ、私の好意を知りながら、あなたは彼女の方を選んだってこと!?」