蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
「……まぁ、気持ちは分かるわ。佳一郎さんとお付き合いしていれば社内では鼻高々でいられるし、それに周りにも、彼氏が倉渕物産の社員というだけで自慢できるものね……そうだわ! うちの将来有望な男性社員を紹介してあげ……」
「ふざけるな」
怒りを含んだ佳一郎さんの声に遮られ、中佐都さんは顔色を失っていく。
「花澄さんに他の男を? とんでもない」
続けて佳一郎さんに睨みつけられ、彼女は怯えるように身を硬くさせた。
「あなたが思う以上に、俺の方が花澄さんに惚れ込んでいるということです。彼女に俺以外の男を近づけるような真似は、絶対にしないでいただきたい」
中佐都さんの唇が震えている。
しかし傷つけられたプライドを守るかの様に彼女は佳一郎さんを睨み返してきた。
「そんなことを言って……あなただって、中佐都建設の専務取締役の席は魅力的だと言っていたくせ……この私よりもその女を選んだこと、いつか絶対に後悔するわよ」
「……専務取締役」
思わず繰り返せば、中佐都さんが私に対しにやりと笑いかけてきた。
「そうよ。私と付き合えば、彼はその役職に就くことが出来るの。私ならさせてあげられるのよ。どう? あなたには無理でしょ?」