蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
分かっているのに……彼に電話で迎えに行くと言われたその瞬間から、これから私をどこに連れて行ってくれるのかと、楽しみで仕方なくなってしまった。
私の中に中條さんの到着を心待ちにしている自分がいたのだ。
「夕食は?」
「まだ食べてません……中條さんは?」
「俺もです。どこかに食べに行きましょう」
中條さんがドアを開けてくれたため、私はおずおずと進み出て車へと乗り込んだ。
ドアの閉まった音に緊張を覚え、はみかみながら中條さんが運転席へとやってくるのを待つ。
「希望の店はございますか?」
車に乗り込んだ中條さんは、シートベルトに手をかけながらそう私に問いかける。
「……たくさんありすぎて選べません」
今度中條さんと一緒に行きたいと思ったお店はたくさんあるし、中條さんにも食べてもらいたいと思ったものだってたくさんある。
一つに絞ることができなくて正直に答えれば、中條さんがふふっと笑った。
「どれか一つ選んでください。その他の候補はゆっくりと時間をかけて連れて行って差し上げますから」
口元を指先で覆いおかしそうに笑うその顔が無邪気に見えてしまえば、つい胸が高鳴ってしまう。