蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
彼から目を逸らすことが出来ない上に、頬も熱くなっていく。
「……き、決めました!」
力いっぱい宣言すると、すぐに「どうぞ」と声が返ってくる。
「中條さんが気になっているお店か、中條さんがよく行くお店が良いです!」
声に力を込めてお願いすると、私を見つめていた中條さんがその瞳を大きくさせた。
「……そうきましたか」
こくこく頷き返すと、彼がふっと笑った。
その優しい微笑みに、息をするのも忘れるほど釘付けになってしまう。
「良いですよ。花澄さんと一緒に食事ができればと思っていた店があるので、そこでもよろしいですか?」
彼がくれた甘い言葉が、私の心に大きく揺さぶりをかけてくる。
食事の相手として、中條さんが私のことを思い浮かべてくれたことがあった。
そのことが嬉しすぎて、涙が出そうになってしまう。
「……花澄さん?」
目の前で手を振られ、私はハッとする。
「はっ、はい! もちろんです! お願いします!」
断る理由など無かった。
心の中で確かに息づき始める彼への温かな気持ちを感じながら、私は笑顔でそう答えたのだった。