蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
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中條さんに案内され到着したのは、高層展望タワーに隣接する商業施設の中にあるレストランだった。
窓際の席でライトアップされた展望タワーを眺めながら優雅な気持ちで食事を楽しみつつ、そして中條さんとの会話もまったく途切れることなく、時間だけがあっという間にすぎていく。
「心と体のバランスが崩れそうになった時、俺はよくあのタワーにのぼるんです。どんなに落ち込んでいたとしてもあの場所から景色を眺めていると、自分自身も自分の悩みもとてもちっぽけなものだと思え、不思議と気持ちが前向きになれるので」
窓の向こうにある高層展望タワーを見上げながら、中條さんがそう教えてくれた。
「中條さんでもそういうことがあるんですね。想像がつきません」
もちろん彼も普通の人間だから落ち込むことくらいあるだろう。
それでも私は彼に対して、何が起こっても少しも動じることなくスマートに物事を片付けていくようなイメージを持っていたため、タワーの展望台の片隅でひとり背中を丸め暗い顔をしている中條さんを想像するのはやっぱり難しかった。
逆に「人間とはなんてちっぽけな生き物だと呟きながら、優越感と共に地上を見下ろしています」と言われた方が何倍もしっくりくる。