死んだ元姫の私がゴスロリ豚になったら、問題しかないんですけど、どうしたらいいでしょうか!



ピロリと、風呂場で着信音がなる。

『誰が豚だ』

ついで、怒鳴り声が聞こえる。
「お前に決まってんだろ、豚っ!」

ピロリ
『豚じゃない。それとも、お前は人間と豚の区別もつかないぐらい頭やられてんのか』

「てめぇが、区別つかないくらい豚なんーー」

ピロリ
『お前以外には、ちゃんと人間に見られてるっことは、お前だけ人間のなかですげぇ低能なんじゃね、ウケるwww』

「んなことねぇーー」
ピロリ
『あ、そっか、ごめんごめん。 低能だから自分が低能なことにも気づけないか。 というか、メッセよりしゃべるの遅いってヤバくない? どんだけ低能なの? インテル入ってる? 脳みそ落としちゃったんじゃないの? 顔も頭もイマイチで、残念すぎるww 生きてるのが辛くならない? 大丈夫、悩みなら相談乗るよww』

口喧嘩は手数勝負。
トランプのスピードみたいなもの。
ありったけの手札を高速で出し続け、相手になにもさせない。

神速フリックで有名な嵐堂ヤマト様の実力、なめんじゃねぇ。
調子が良ければ、スタ連のスタンプの間ごとに、相手の悪口入れれることもできる。
これが、元姫の力だ!!


扉越しの風呂場の中では、
「え」とか「ちが」と、なにかのアラートみたいにピロリピロリ鳴り続けている。


もうそろそろ、トドメだ。

ピロリ
『つまり、お前は豚以下だ。 わかったなら、しっかりワビを入れろ』
「え、いや、だって・・・」

ピロリ
『ごめんなさい、は?』
「あの・・・そ、その・・・」

ピロリ
『ごめんなさい、は?』
「・・・ごめんなさい」




完全勝利だ。
弟は、風呂場でぐったりしている。
ふふふ、目上にたてつくとこうなるんだよ。
社会勉強だよ。




もはや、体はまったく震えていない。
私は、満面の笑みで最後のフリック送信ボタンを押す。









ピロリ
『聞こえない。 ごめんなさい、は?』








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