結婚のその先に
栞菜は唇を強引に重ねてくる啓吾の背中に腕を回した。そしてありったけの力で抱きつく。

啓吾がはじめて感情をぶつけてくれているような気がした。その感情を全部受け止めたい。

愛しさが込み上げて流れた涙を啓吾の大きな手が拭う。


何度も何度も唇をよせて体を重ねても愛しさにまざり切なさが込み上げる。

その思いを消したくてふたりは朝までお互いを求め続けた。
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