結婚のその先に
そんな啓吾の状況まで考えられるほど冷静になれなかった自分を栞菜は恥じた。




「またちょくちょく顔出すからさ、待ってろよな。」




「、、、ありがと、、、」




今言わなければ絶対に後悔すると思った。




栞菜の言葉に



啓吾は立ち上がり栞菜の頭をぽんぽんと撫でて歩きだした。



すれ違うとき啓吾の瞳が赤かったのを栞菜は見て見ぬふりをした。





栞菜は兄のお墓に手を合わせ心のなかで話す。




『お兄ちゃん、啓吾さんのために私全力で頑張るね。見ててね。私になにができるか、、、まだわからないけど頑張るから。』





閉じた瞳からは涙がつたった。
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