結婚のその先に
『コンコン』取締役室がノックされて返事をする間もなく翠がはいってくる。

1番会いたくない人…。

「あら。来てたの?」
翠は笑みを浮かべながら啓吾の机に書類を置いた。

その時栞菜が口紅のついたワイシャツを握りしめているのが見えてニヤリと栞菜に笑って見せる。

「大変ねあなたも。」
「……いえ。」
精一杯栞菜は強がりワイシャツを持ってきたバックに入れた。
「なんなら洗濯も私がしましょうか?」
翠が栞菜の持つバックに手をかける。
「いいです。これは私が。」
「私が洗った方が早いでしょ?どうせ一緒にいるのは私だし。」
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