結婚のその先に
「いっ…た……っ!」
うずくまりお腹に手をあてる。冷や汗が額に浮かぶ…。


「栞菜?栞菜っ!?」
その声のする方へ視線を向けるとそこには啓吾がいた。

焦った様子で駆け寄ってくる。

「どうしたっ!?」
「いたいっ…お腹っ…」
啓吾の腕にしがみつきながら栞菜は啓吾を見る。

その顔は痛みで歪んでいる。

「助けて…あかちゃん…助けてっ!」
「え?あかちゃん?」
「ごめんなさい…ごめん…」
「妊娠してるのか?」
啓吾の言葉に栞菜が泣きながら頷く。状況をなんとかつかんだ啓吾は栞菜を抱き上げて車へ向かった。

車へつく頃には栞菜の意識はなかった。
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