結婚のその先に
「やっぱりきついね。」
階段を登りながら栞菜は隣で支えてくれる啓吾を見る。啓吾は心配そうな顔をしている。

「大丈夫か?やっぱりおんぶにする?」
「うんん。自分で歩きたいの。」
そんな栞菜たちはゆっくり時間をかけて丘へのぼった。

良輔のお墓にはお花が供えてあった。

「誰か来たのかな?」
啓吾はなんとなく栞菜の父じゃないかと思っていた。

栞菜は良輔のお墓の前にしゃがむ。そして長く手をあわせていた。
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