あなたの命、課金しますか?
どうして__?
階段を降りてきたのは、裕也だった。
私は明らかに元に戻ったはずなのに、どうして⁇
一歩ずつ後退りする私と、怪訝な顔で階段を降り切った裕也。
「__死んだのか?」
南くんの死体を見つめたまま、私に尋ねる。
変わり果てた【私】に。
頭の中が混乱して答えられないでいると、ようやく南くんから視線を引き剥がした感じで、私を見やった。
「殺したのか?」
と。
やっぱり分からない。
それは、私だと分かってて訊いているのか?
裕也が地下室から出て行く前と、今と、関係性が変わっていないなんてあり得ない。
ただのブスな葉月渚として訊いているのだろうか?
ここに閉じ込められた因果もなく、ただここに居るというだけで?
きっとそうだ。
いちクラスメイトとして、訊いているだけだ。
そこに、愛だの恋だのという恋愛感情はないはず。
だから、私は無意識に頷いていた。
それは、私のせいで南くんが死に、その寿命を奪って自分だけ裕也の元から逃れようとしている、自分の浅ましさがそうさせたのかもしれない。
裕也が近づいてくる。
大丈夫だ。
もう、この男と私は無関係。
ただのクラスメイトに過ぎない。
大丈夫だ。
大丈夫。