あなたの命、課金しますか?


その目から涙を流して【殺せ】と私に願う、裕也。


必死で抵抗するも、刃先が喉仏に埋まっていく。


「お願い裕也、やめて‼︎こんなこと、やめて‼︎」


「俺は渚を殺せない。それなら渚が俺を殺して、後を追ってくれ」


「嫌よ‼︎」


「それしかないんだよ、もうそれしか‼︎」


喉に引き入れようとする力と、引き戻そうとする力が拮抗し、私たちの手は激しく震えていた。


今、私が力を抜けば、一気に喉深くまで刃が食い込むだろう。


「こんなの、異常よ‼︎」


「愛してるからだ。どうしようもなく愛してるから」


「そんなの愛じゃない‼︎」


私は、足で裕也の膝を思い切り蹴り飛ばした。


体勢を崩し、ナイフが遠くに飛んでいく。


床に倒れこんだ私は、すぐに立ち上がろうとしたが、できなかった__。


「なんでわからないんだ?俺の気持ちがなんで‼︎」


裕也の足が、お腹を蹴り上げた。


1発、2発。


うめき声を上げ、体をくの字に曲げる。


「一緒に死ぬしかないだろう?渚がやらないなら、俺が先に殺すしかないかな?」


問いかけながらも、蹴ることはやめない。


体を丸めることしかできない私は【死】を感じた。


このままじゃ、殺される。


こいつに殺される‼︎



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