ツンデレ黒王子のわんこ姫
誘拐?恐喝?

不穏なワードが健琉の頭をよぎる。

しかし、それなら白木家がもっと大騒ぎするはずだ。

家政婦の柏木のおかしな様子からだけでは何も推測できない。

「おそらく福岡で電源を切ったか、電源が落ちたか、どっちかだろうな。後者ならそろそろ電源が入るかも」

続いて真那人は、インターネットのアクセス履歴をみる。

「温泉?九州?検索ワードはそんなところだな。旅行じゃないのか?」

健琉は首を傾げた。

思い返せば、芽以はゴールデンウィークに、温泉に行きたいと言っていたな,,,。

「あっ、そういえば,,,」

大分の湯布院におすすめの温泉ベスト10が雑誌に載っていて、今度行くリストをあげていた気が,,,。

「ほら、ビンゴ。芽以ちゃん、スマホの充電いれたぞ。見ろ、GPSが作動した。芽以ちゃんのことだから、たぶん長距離の移動に疲れて、宿についた途端にスマホの充電も忘れて寝落ちしたってところじゃないか?」

健琉も自分のスマホを作動する。

GPSの示す位置情報は,,,。

湯布院,,,だった。
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