ツンデレ黒王子のわんこ姫
「芽以、明日の昼の飛行機で東京に帰るぞ」

通り沿いのお店でお揃いのグラスを買ってから、二人は旅館の離れに戻った。

すっかり辺りも暗くなり、和室には夕飯が運ばれ、隣の寝室には、すでに二組の布団もセッティングされてくつろぐ環境は整えられていた。

「明日、ですか？」

芽以が家を出てからまだ、２日目の火曜日。土曜日の結婚式までは、まだ日にちがある。

「私、実家には帰りたくありません」

「もちろん、帰らなくていい。結婚後二人で住むマンションに行くんだ。少し早まるだけで何も問題はない」

「でも，，，」

「隠れても問題は解決しないだろ？俺がいるんだ。心配するな」

「はい。わかりました」

芽以は何かを振りきるかのように、黙々と食事を摂り始めた。

健琉もそれに続く。

まだ何も解決はしていない。

しかし、健琉は反撃の時を待っていた。

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