ツンデレ黒王子のわんこ姫
ぼんやりとした室内の薄明かりが、抱き合って眠る幸せそうな二人の笑顔を包んでいる。

「芽以は、俺のどこが好きなんだ?」

「強いて言えば,,,優しくて素直じゃないところでしょうか?」

「あ?」

芽以は健琉の体を両腕でギュッと抱き締めた。

「本当は,,,」

眉間にシワを寄せる健琉に、芽以は満面の笑顔で見つめ返すと

「声も、顔も、体も、心も!全部好きです!」

と伝えた。

「っ!」

顔を赤らめる健琉の胸に、芽以はうっとりと頬を寄せた。

「誰にもあげません」

ギュッと抱き締める芽以に、健琉も同じように答える。

「お前みたいな思い込みが強くて、甘えん坊の面倒をみれるのは俺だけだろ」

「ですねぇ」

フフっと二人の笑い声が静かな離れに響いた。

「って、ことでもう一回な」

「えっ、た、健琉さ,,,」

健琉に組敷かれた芽以は、朝まで優しく翻弄されるのであった。
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