甘い運命

1-13


それから、結局日曜日の夕方に自分の部屋に戻った。
そしてまた次の火・水曜日と金・土曜日とお泊まり。
この週は、お互い忙しくてぐったりしていたこともあり、土日は食材を買いに行ってお家ご飯にして、映画のDVDを5つも借りて観て、まったりと修一さんの部屋で過ごした。

そして次の火曜日。
今回も夕方のアポを取った修一さんの会社で、新商品のプレゼンを行うことになっていた。

前の週に資料を送り、目を通してもらっているはずだが、一応予備の資料を揃えて、会社の受付嬢さんに三上さんを呼び出してもらうよう告げた。

暫く待たされて、出てきた修一さんは怪訝そう。

「あれ?橋本さん、今日キャンセルじゃなかったですか?」
「え?どういうことですか?」
「事務の子に、今日キャンセルになったって聞いたんですけど。課長さんの体調不良で。」
「いえ、そんな連絡していませんが…。そもそも今日課長は同席する予定ではなかったですし…」
「…ちょっと待ってもらえますか?確認します。」

20分ほど待たされて、また出てきた修一さんに、いつもの会議室に案内される。

怪訝な表情を、していたと思う。

一旦会議室を出た修一さんが、可愛い女の子を連れて戻ってきた。
うわ、可愛い系美人だ。ふわふわの髪。くりっとした、茶色っぽい瞳。修一さんに負けてない。すごい!

感心して見つめていると、申し訳なさそうに修一さんが言った。

「申し訳ない、事務の槙原の勘違いだったようです。
さ、槙原も橋本さんに謝れ。」

「申し訳ありませんでした!」

深く頭を下げる槙原さん。

うん、困るけどまあ、ひょっとしたら同じような名前の人がいるのかもしれない。
私はにっこり笑って、間違いは誰にでもありますから、と言った。

それより、プレゼンだ。

「三上さん、今日はこのままお時間いただけるのでしょうか?」
「ええ、申し訳ないのですが、30分ほどでよろしければ、伺うことができます。」
「かまいません、商品の説明だけさせてもらって、また改めますので。」
「わかりました。槙原は戻っていい。課長に、少し遅れると言っておいてくれ。」
「承知しました。」

くるりと槙原さんに背を向けた修一さんの後ろで、彼女はゆっくりと顔をあげた。

そして、私を……睨み付けた……?
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