甘い運命

1-18


次の日、水曜日の夜。
ベッドに入ったところで修一さんからメッセージが入った。

『明日泊まりに来て。』

あれ…何かおかしい。機嫌が悪い?
疲れてるのかな?
こんな一言で終わるメッセージは、初めてだ。

怪訝に思いながらも眠りにつき、いつも通りの朝。
寝起きはいいほうだ。
少し早めに起きて、朝の時間を過ごすのが私のスタイル。

出勤のために家を出るのは、7:30だ。
今は5:45。うん、ゆっくりできる。
ちょっと豪華な朝ごはんにしよう。

昨日お気に入りのパン屋さんで買って帰ったクロワッサンを焼いて、ハムエッグを作り、レタスとトマトを添える。
冷凍しておいたコンソメスープを解凍して…と、朝食メニューを考えていると、ピンポンと呼び鈴が鳴った。

私は飛び上がった。だってまだ6:00過ぎだ。
恐る恐るモニターを見ると、なんと修一さんがいる!!

私は慌てて玄関に走り、ドアを開けた。

「修一さん、どうしました?!」

昨日のメッセージも疲れていたようだし、心配だ。
そんな雰囲気が駄々漏れだったのだろうか。
修一さんが苦笑している。

「おはよう都。今日朝イチでこっち方面の取引先にいくから、ちょっと顔が見たくなって。」

やはり、少し元気がない。
どうしたんだろ、風邪でもひいたのかな?
私は無意識に、修一さんのおでこに手を伸ばしていた。

修一さんは触れる瞬間、一瞬びっくりしたような顔をした。
でも手が触れると、私の手が冷たくて気持ち良かったのか、目を閉じてじっとしていた。

──うん、熱はない。

私は安心して、ほっと息をついた。
そして、昨日から感じる違和感。
でも、それはさておき、朝だもん。元気をあげよう!!
私はにっこり笑った。

「ご挨拶を忘れていましたね!
おはようございます、修一さん。
もしお時間あったら、朝ごはんを召し上がりませんか?
今から作ろうかと思ってたんですよ!」

修一さんは、ふっと笑って、いただくよと言った──
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