甘い運命

1-47

私は、ありったけの勇気をかき集めた。
自分自身に向き合う。

私は、ブスだ。
でも、修一さんを心から好きで、大切に思ってる。

他人に、色々言われるかもしれない。
自信なんかないし、修一さんの愛を疑うことがあるかもしれない。
きっと、辛いことも多いだろう。

でも─でも。

きっと今拒否したら、自分で自分を嫌いになる。
自分の『自信のなさ』なんてくだらないもので、修一さんの心を傷つけたら、私は私を一生許せない。

それに、私自身だけでも、私の恋する気持ちを素敵だと思って、応援してあげないと。

私は、修一さんが、大好きなのだから。

俯いたままの、私の肩が震える。

修一さん、好き、大好き。大好き。大好き……

想いが溢れて、大粒の涙が次々と頬を濡らす。

「都……?」

様子の変わった私に、修一さんは不安そうに名前を呼ぶ。

ありったけの勇気を、今度は言葉にしていく。



「わ…私っ……美人じゃないしっ……せ、性格も、そんな…よくな……ですっ。

でもっ……しゅ……いちさ……がっ、だ、大好きっ……ですっ。

そば…いてもっ……いいですかっ………」


しゃくりあげながら、たどたどしく、気持ちを伝えて。
恐る恐る、修一さんの顔を見上げた。


───それはもう、凄絶に美しい笑顔。

「…都は可愛い。本当に可愛い。

俺のものになってくれて、メチャクチャ嬉しい。

人生でこんな嬉しいことがあるのかって、生きてて良かったって、本当に思うよ。

都、ありがとう…。」

自分の胸に私の頭を抱え込むように、修一さんは私を抱き締めた。
そして、そっと腕を緩めると、私の唇に優しく、優しくキスを落とした。

何度も啄むようにキスをして、力の抜けてしまった私の唇を軽く嘗めて開かせ、深いキスをする。

舌を絡め、吸いだし、くちゅくちゅとわざと音をたてさせる。
どれだけ私を欲しがっていたか、伝わるようなキス。

仁科さんとしたキスは、こんなに長くなくて。
息の仕方がわからない。
修一さんの胸を軽く押しながら叩くと、やっと唇が離れた。

「…ごめん、まだ都、熱があるのに。
軽く理性が飛んだ。」

息をあげながら、修一さんが言う。
私は肩で息をしながら、首を振った。

「いえ…。私、嬉しかったですから。」

やっと息を整えて言うと、修一さんが、またぎゅっと抱き締めてきた。
……ん?だんだん重くなる。

「修一さん…?」

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