甘い運命

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私が頷くと、ちょっと困ったような表情をして、言葉を続けた。


「俺は、都が居ないと、息のしかたも分からなくなる、生きていけないって言ったでしょう?

もうね、俺の方が、都がどこかへ行かないように必死なの。

ストーカー?嫉妬で束縛?望むところだよ。

そうやってたら、俺のことしか考えなくなるでしょう?
遠慮なくやって。」

ぷっ、と吹き出して、そのまま笑ってしまった。
『望むところ』『遠慮なくやって』って……!

私の男友達は、それを嫌うことがほとんどだった。
それを伝えると、修一さんはしずかに笑った。

「そんなの、俺にとっては『本物』じゃない。

束縛するな、ってことは、相手も束縛しないのが前提だろ?
……俺、都に対してそんな事絶対言えない。

何て言うのかな…俺も常に都の行動は把握していたいし、都の考えることも知っていたい。
男と二人で出かけるとかしないで欲しいし。


…俺も、都に逢うまでそういう気持ちを知らなかったから、大きなことは言えないけど。

相手に対して執着がないとか、本当に好きなのか?」

──私も、そう思ってた。同じ価値観であることが、とても嬉しい。
でも、意地悪く言っちゃう。
男友達は、相手に執着するのなんて最初だけだと言っていたことを。

修一さんは暫く考えて、答えてくれた。

「そうかもね、普通の相手なら。

でも、俺、根拠はないんだけど、凄く自信がある。
きっと、時間がたってもずっと、今とそんなに変わらない熱量で、都のこと好きだ。

いや、むしろ、もっと好きになってるかも。

俺たち仕事の担当者同士として2年、それプラス添い寝友達としてほぼ半年、すでに付き合ってるよね。

この約2年半で、俺の気持ちは恋愛に変わっていったけど、ずっと変わらなかったものがある。

それは、都自身だ。

いつも仕事に真面目で、相手に誠実で。時にユーモアがあって、笑わせてくれて。

俺の友達に会わせても、皆いい子だって言う。
都が、誰に対しても思いやりを持って、裏表なく対しているのが伝わるからだよ。

都は、彼女になっても、変な風に変わらない。
俺が保証する。

だから大丈夫、怖がらなくていい。
どんな都でも、愛してるから。」
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