甘い運命

1-58



そこにいたのは、槙原さんと、可愛い女性たち5人。

──うわ…睨まれてる……。

でも、もう目を伏せたりはしない。

何を言われても何をされても、もう修一さんを譲ったりしない。

その意思を込めて、六人の女性達を見返す。
数秒目線が合った後、槙原さんが、ふっと目線を逸らして、エントランスを出ていった。
他の女性達も、それに続く。

「───怖えぇぇ……。」

山崎くんが呟いたので、吹き出してしまった。

そのまま視線を修一さんに流すと、『よくやった』という風に微笑んでいた。
『頑張りました』と、私も微笑み返す。


──もう、この人は本当に、最高だ。
私のために、自分の会社でここまでしてくれた。

今度は、私の番。

私のすべきことは、自分を好きになって、自信を持って修一さんの隣に立つことだ。

そして、自分を信じて、修一さんを愛することだ。


私は指輪をつけた左手を右手で握り、そのまま胸に持っていく。
目を閉じて、深呼吸。

この指輪に誓う。


──私が、修一さんを、幸せにするんだ──


fin


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