甘い運命

9

「……持ってきたけど?」

不機嫌そうな修一さんから、杏花さんがアルバムを引ったくった。

「お義姉さん、これこれ!修兄の赤ちゃんの頃!!」

「うわぁ…天使…」

「でしょお?!なのに今は腹黒だよね…」

「は、腹黒…」

「そう思うでしょ?……」

お母さまと杏花さんと、きゃあきゃあ言いながら写真を見ていく。
男衆は、呆れたように黙ってコーヒーを飲んでいる。

素敵なご家族だ。
私にとても気を遣って、居心地がいいようにしてくれているのがわかる。

結局、修一さんは渋ったけど、晩御飯までご馳走になってからお家を辞した。

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