毒林檎がなくても
「お母さまはわたしに声をかけてくださらない。わたしから話しかけても、お返事していただけないの。だから、きっと嫌われているんだろうって……わたし、本当に嫌なことを思っているわよね。でもね、いつも心配になるの。もし本当に嫌われていたらどうしようって思うのよ」
……まさか、伝わっていなかったとは。
いやいやいや、わたくしは盛大にいじめている。嫌っている。
ちょっと天然すぎじゃないのこの娘、大丈夫かしら、とお妃さまはなんだかめまいがしました。
「……本当の母親ではないんだろう? 嫌われたって別にいいじゃないか。どうして嫌われたくないなんて思うんだい?」
「あらおばあさん、そんなの簡単よ」
白雪姫は顔を上げてにっこり笑いました。
嘘をつかない鏡が世界で一番美しいと言うのも納得の、きれいな微笑みでした。
「本当のお母さまではないけれど、今のお母さまはあの方ですもの。もちろん嫌われたくないわ」
——わたしの、憧れの方なの。
……まさか、伝わっていなかったとは。
いやいやいや、わたくしは盛大にいじめている。嫌っている。
ちょっと天然すぎじゃないのこの娘、大丈夫かしら、とお妃さまはなんだかめまいがしました。
「……本当の母親ではないんだろう? 嫌われたって別にいいじゃないか。どうして嫌われたくないなんて思うんだい?」
「あらおばあさん、そんなの簡単よ」
白雪姫は顔を上げてにっこり笑いました。
嘘をつかない鏡が世界で一番美しいと言うのも納得の、きれいな微笑みでした。
「本当のお母さまではないけれど、今のお母さまはあの方ですもの。もちろん嫌われたくないわ」
——わたしの、憧れの方なの。