曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。

と、思ってたのに。



はやく終われと願うばかりに、
授業は、
最後の方は全然聞いてなかったし顔も下げたままだったから
どうしてそういう流れになったかはわからない。



「・・・・・多くの人がまちがって使っている言葉は、他にもたくさんあって、

たとえば、

小春日和。


これは、ついつい1月とか2月の寒い時期に少し暖かい日があると使ってしまう人が多いですが、
本当は、
11月とか12月に使う言葉なんです。


小春日和、

小春、っていう言葉。


昔の人はよく考えたなと思います。



温かみがあって
かわいらしくて、

僕はこの言葉が


とても、

好きなんです。



はい、では時間になりましたので授業を終わります。


号令お願いします。」



あたしのことじゃ、ない。
小春日和の話だって、わかってるのに。




一気にかあっと体が熱くなって
頭が一瞬、フリーズした。



こはるこはる、って言って、
極めつけは、最後の言葉。


僕はこの言葉がとても、好きなんです。



なにそれ。
やっぱりあたしのこと、もてあそんでいるの?


あたしの名前の漢字は心春だとはいえ、
たまたまにしては、出来すぎている気がして。


あたしの漢字を今井さんが知るわけもないから、
小春だと思っていてもおかしくはない。



あのときあたしを名前で呼んだのは、
小春と言う言葉が好きだからですか?


もう、本当に。やめて。

いつもあなたは最後の最後に、
より一層あたしを、苦しめる。


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