曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。



授業が終わってから、また、教室を飛び出した、


次の時間は、えっと、お昼休みか。



ちょっとしたら、すぐ戻ろう。



深呼吸をして心を落ち着けようとした。

すって、はいて。すって、はいて。



本当に少しずつ少しずつ、息が整ってきた。


今井さん。
 
今日で教育実習、終わりか。


高校の先生になりたいのかな。



・・・こはるって、
わざと、ですか?


本当に、わけがわかりません。



廊下の角の人があまり来ないところで
あたしはとにかく自分を落ち着けようとしていた。






「佐藤さん。」



っ。


さっきまで聞いていた声が、

久しぶりにあたしを呼んだ。



懐かしい。

何回も、呼ばれたな。
こうやって、
後ろから。

佐藤さん、って。


やっぱりあたしのこと、気づいてたか。


あたしは観念して振り返った。

この状況じゃ、逃げられない。


やっと落ち着いてきたあたしの心臓が、
また激しく動き出す。


「はい。」


今井さんは、授業のときの笑顔のままだった。

営業スマイル。

無愛想な顔に慣れてるあたしとしてはちょっとこわかった。


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