ライアー
2
侑side

「はぁー…」
朝8時。キラキラとしてる朝日が敵にしか思えねえ。

解散したのは深夜2時。疲れに酔いも重なりかなりのグロッキー状態。




「大丈夫ですか?さっきからずっとため息ばかりですよ?」




色素の薄い茶色の瞳を大きくして眉を下げ、心配そうに聞いてくるのは、去年入った新人。

男にしては可愛らしい容姿を最大限に生かしたマッシュヘア。

社内のオネーサマから人気なのも納得だ。

しかし、仕事に対しては真面目で結構頼りにしてる。


「昨日は成田から直帰だったんですよね?
ハードな出張だったとは伺ってましたけど、そこまでとは。」


「いや、仕事自体はいつもどおりだった、
ただ、色恋ボケナスの悪魔から連絡が入った。2時まで飲むのに付き合わされて、あーまじできつい。」


ガンガン鳴り響く頭痛を無視して、いつもより濃いめのコーヒーを飲む。


「先輩!
1週間もろくに寝ないで仕事してたんですよ!
なんで断らなかったんですか!
今日だって休みとっていいはずなのにいらっしゃるし、体調が心配です!!」


「なんでって、時間あんのに断んのひでーだろ?
あと、今日は、クライアントとの予定。どうしても今日がいいんだと。」


口を開くのも億劫でだんだん返す言葉が短くなる。
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