ライアー
「真面目過ぎますって!
まあ、そういうところもかっこいいんですけど!」


冗談だろうけど、目をキラキラさせていうもんだから寒気がする。


「男にんなこと言われても嬉しくねーよ。」



「僕だけじゃありませんよ!

初めは先輩のドSでぶっきらぼうなところに怖がる連中も、その端正な容姿にやっかむやつらも先輩の仕事ぶりに尊敬し憧れていくんです!

社内で残業魔って呼ばれてるのご存知ですか?

個人的な業績があっても天狗にならずに、新人教育からアフターフォローまで何でもそつなくこなす。

ほんと女に限らず男まで惚れさせるって噂ですよ」




「お前冗談だとしても笑えねーからやめろ。薄気味悪い。

そんな誉められた人間じゃねーよ。」



あーだるい。このまま早退して寝たいだなんて到底無理な願望が頭をよぎる。

無意識に何度目かもわからないため息をついた。





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