ヴァンパイアの花嫁
「獲物ではない。私の最愛の娘だ」


その言葉にサンノーゼと戦ってふらふらなアメリアも驚いた。


レオン様の……最愛の人……。


アメリアは立っていられなくなり床にずるずると倒れこむ。


「アメリア!」


扉の前で様子を伺っていたダーモッドが慌ててアメリアに駆け寄る。


レオン様がいらっしゃったからもう安心だ……。


アメリアはホッと安堵した。


「王子の最愛の人?なんで人間なのさ」


レオンやエミリオとほぼ同じ年のサンノーゼはヴァンパイアだ。


彼は性質(たち)が悪く本能に従い、おいしそうな血を持つ者をやみくもに襲う。




< 142 / 487 >

この作品をシェア

pagetop