ヴァンパイアの花嫁
夜会では人間の血を同量に混ざった葡萄酒を出す。


アメリアの運んできたものはほんの少しだけ動物の血が混ざっている。


どちらがうまいかといえば夜会の方に10人中、10人は答えるだろう。


レオンの我慢強さには頭が下がる思いだ。


レオンはヴァンパイアなのに血に執着しないのだ。


「アメリア、ありがとう。ところで君のご主人様はなにか良いことがあったらしい」


「良いことでございますか?」


改めてアメリアはレオンを見る。


リラックスした表情のレオンは口元に笑みを浮かべ考え事をしていた。


「失礼します」


何か思い当ったかのようにアメリアが急いで部屋を出た。




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