ヴァンパイアの花嫁

「ええ。人間によって放つ香りは違ったものなのよ。貴方のは極上の香りがするわ。だからレオン様は貴方を離さないのね？きっとレオン様は貴方にヴァンパイアになって欲しいと言うはずだわ」


「ヴァンパイアに？」


「そうよ。貴方がヴァンパイアになればその血はずっとレオン様のものだもの」


「レオンのもの……」


「でもなれるはずは無いわよね？貴方の両親を殺したのはヴァンパイアだもの。両親を殺した同種族になるなんて出来ないはずよ」


そう言いながらティナに近づきティナの肩に手を置く。


ティナは美しい顔に見せられたように動けなくなる。


カサンドラのエメラルドグリーンの瞳が一瞬で真っ赤に変わる。