ヴァンパイアの花嫁
「昨日、外に男がいたとか?」


カサンドラが聞く。


「はい、口が耳まで裂けた男がいたんです。でも目を離した一瞬でいなくなって……あたしの見間違いなのかもしれません」


「たぶん見間違えでは無くてよ?あなたの血はヴァンパイアを強く惹きつける香りですもの。そこらへんをうろついているヴァンパイアもいるかもしれないわ。貴方の血は特別な香り。わたくしでさえも我慢するのに大変な努力をしていますもの」


その言葉はティナの恐怖心を煽るのに十分だった。


「あ、あたしの血が……ヴァンパイアを惹きつける血?」


何を言っているのだろう……血はみんな同じはず。




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