ヴァンパイアの花嫁
「どうしてなんだ?レオン、君と一緒に同じ時間を共有するにはヴァンパイアにならなくてはならないというのに」


エミリオがわからないと言った風に首を横に振る。


「ティナの両親はヴァンパイアに殺されている」


「それでもティナちゃんは目先のことしか考えていない。人間が老いるのはあっという間だ」


このままティナが人間でいれば外見はすぐに逆転してしまう。


年老いてレオンを置いて死んでしまうのだ。


「それはわかっているはずだ。ヴァンパイアである私を愛してくれているだけでも奇跡だろう」


レオンは視線を膝に移し、ティナの寝顔を眺めた。


「もう一度考えてもらった方がいいよ」


レオンのティナを見る表情は一瞬寂しそうに見えたが、すぐに無表情な顔に戻ってしまった。





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