ヴァンパイアの花嫁
ホッとしたのもつかの間、ティナは咳と共に口から出た黒いものを見てびっくりした。


血……?


手を伸ばしてやっとのことでベッドサイドの灯りをつけて確かめる。


血だ……あたし……どうしちゃったの……?


レオン、助けてっ!


そう願った時、ドアが大きな音をたてて開きレオンが入ってきた。


「ティナ!」


ベッドの上に茫然としたティナの姿が目に入った。


口元に血がたれ、ナイトドレスも血に染まっていた。


むせ返るようなティナの血の匂いにレオンは息をのんだ。


「ティナ!いったいどうしたんだ!」


慌てた様子でティナの元へ行くと、空色の瞳は恐怖の色を浮かべながらレオンを見た。



< 394 / 487 >

この作品をシェア

pagetop