ヴァンパイアの花嫁




『アメリア、すぐに来てくれ』


レオンはティナの身体に生気を送りこみながらアメリアを呼んだ。


いったいどうしたというんだ……?


不安げな表情でティナは自分を見ている。


「大丈夫だ。すぐに良くなる」


レオンは空いているもう片方の手で不安そうな頭を優しく撫でた。



アメリアはすぐに来た。


ダーモッドは廊下にいるらしい。


「どうなさったのですか!?」


部屋に入るなりアメリアが声を上げた。


「湯と新しいナイトドレスを」


******


レオンのおかげでティナの胸の痛みは治まった。


アメリアが湯を用意し、温かい布でティナの顔を拭く。


もうその頃にはティナは眠っていた。


汚れたナイトドレスから新しいナイトドレスに着替えさせられても、ティナは目を覚まさなかった。



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